マルー・クインクエ【遁走】・・・2 「霧ですね」「川あって大河近いから出やすいんよ」川近くに来た全体派と典型派は、森を白く覆う霧に視界の悪さを感じていた「団長殿!」「おお、どしやか。岸はどうした」風切り派がやって来る「波が荒れてますと。船が出せる状況で無いと言われ応援来たとです! 風切り派五人は見張っとります」「そうか、ではこの辺を頼むとしよう」「道沿いに村あるけどあたい… コメント:0 2024年06月29日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【遁走】・・・1 たたたたたた…はっ 鬱蒼と茂る草の中を軽快に走っていた少年の足が止まる「この辺りにはいないですね」「沼向こうの典型派と合流しよう」「はい」マスクをした全体派の三人が違う場所へと移動を始め動き出す ガサ 草音にただおが目を向けると、大きな種を両手で持つハムスターがいる「ただお、何かいるのか?」「あ、いえ。ハムスターが食事してただけで… コメント:0 2024年06月21日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【訪客】 バクバクバクバクバク バクバクバクバクバク 「美味い!! こんなに美味い食い物初めてだ!!」れいりの大福を一心に頬張る少年をビイス達は目の前に座って微笑ましく眺めている「もっと食って良いのか!? お前達良い奴じゃないか!!」一袋の積まれた大福をビイス二体が持って来た「ウェル達は誤解してるんじゃないか?」両手に大福を持ちご満悦な少年は… コメント:0 2024年06月15日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【真実】・・・2 「その後、明暗に分かれたエイウス達が争った事も、程が生まれた事も、死に合うのも、全て我が原因だ…」 「我の罪だ」 カウザの言葉にれいりは戸惑い悲しくなる「“風”を調べると必ず検出される粉末はオレ・アエテルナの石だったのですね」「……調べる? いかにしてそんな事が出来た?」「つい最近分かった事なんですが、あの“風”は程と新しく出来た土… コメント:0 2024年06月08日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【真実】・・・1 暗世界。轟々と唸り空高く昇る風を数キロ離れた邸で冷ややかに見つめる女性の姿があった。床に付く程の長い髪をした女性の側には、法で書かれた紙に囲まれて咲いている萎れかけの花が花瓶に生けられている 「女帝、いさい殿がお見えです」 「……十日と九時間二十二分三十七秒の遅刻だ!!」「!!」そそくさと部屋を出て行くも、いさいを見る目は怒りを含み… コメント:0 2024年06月01日 マルー・クインクエ 続きを読むread more