マルー・クインクエ【憂節】・・・1

――それから十日後 訓練部屋(トレーニングルーム)では、へとへとになりながらもランニングマシンで走り続けるれいりがいた「まだタイマーならない~~~」「後三分だ」「その三分がなが……」 ぜーはーぜーはータイマーの確認をするソルム。残りの数分が延々と続く錯覚に陥り、足の動きが覚束なくなっている ピー 「…おわった………」 パタ「…」前…
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マルー・クインクエ【終決】

――本殿 「ウェルとハナエンに会ったのは、腹を空かして外歩いていた時だ」小若は今までの経緯を集まった皆に語り始めた「わしの加護は“ゾウ”だから屋敷で出る食いもんだけでは足らず、毎夜外に出て飢えを凌いでいた」「そっかー」(のの子さんと同じなんだ…)同情するディックとのの子との共通点に気付くれいり「ウェルとハナエンはわしにたっぷり食い物を…
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マルー・クインクエ【反撃】

――少し前 立ちはだかる見張りを次々と倒し、最後に残った見張りの顔を踏みつけ飛ぶとウェルは二~三回転し片足で着地した「戦い慣れしてんな…」いざないは倒れた見張りの横を通りながらウェルの戦いぶりを目で追っている。出口を目指し走り続けるウェル。しかし行き止まりに気付き立ち止まる バッ「ソーミウム!!」 「効くか!!」 ぶんっウェルが法…
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マルー・クインクエ【処罰】・・・2

「…とお…どうしたんだ」何が起きたか分からずてんしんの後ろ姿を見る「その紙が許可証扱いになるんです」「何!?」「貰ったお守りが本当に守ってくれました。これで小若君も二人も罰せられなくて済みます」「良かった…」「全くです」唖然とする小若にれいりは顔が綻び小若の体を擦っている 「ジン!」 「ディックさん、起こしてしまいましたか。すみませ…
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マルー・クインクエ【処罰】・・・1

「もう動かぬか、歯ごたえの無いネズミだ」てんしんの足元には、体中打撲と傷だらけで全く動かない小若が俯せで丸くなっていた「水を掛けよ」「すみません、よ小若!」 バシャア 掛けられた水が体に付いた泥を流すも、現れた傷が痛々しく顔を覗かす「これでも起きぬか」 ガッ「若…その辺りで……」ひじおとよつじはてんしんを止めようとするが、てんしんに…
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