追跡・・・2

休園となっている植物園の前にれいりは現れる
「よし!」
キィと軋む鍵の掛かっていない扉を開き、れいりは気合を込め中を進む
(いた!!)
入り組んだ植物を掻き分け数メートル、さっき見た緑の帽子を発見

「リムさん!!」

驚いて振り向くリム。
側にはリムの他数人がリム同様驚いてれいりに視線を向けた
マルーらくがき64.jpg
「あ―――他の人もいる―――!! 一体どう言う事ですか!! 三ヶ月も連絡無いってミヨシ元気無いんですよ!!」
飲み会で会った輩も見つけ眉間に皺が寄る
「皆を悲しませる様な事しないで下さい!! 終わりならそれで良いんできっちり言ってあげて下さい!!」
れいりの言葉云々よりもリム達はれいりがいる事に驚いている
「と言う事でしたので!」
「……君、どうやってここまで」
「普通に来ました!」 ふんっ
言い切ったれいりは鼻息荒くまだ怒っていた
「…………あれ?」
落ち着きを戻しリム周囲を見ると疑問
「頭脳派のリエルさん?」
名前を言われリエルの体が強張る
「レストランのオーナー…??」
オーナーのゼンセイムは言われても何故知ってるのかと言う顔だ
「キリートダイラ……???」
ダイラは固唾を飲みれいりを見ている

「………」

れいりは目の前にいる集団が何であるか少し考えた
「では、さようなら」 ペコ
「!」
「行かすと思うか?」
「!!」
さりげなく帰ろうとするも武器を持った二人に阻まれる
「こいつ明の混ざりだ!」
「へぇ~、連れてくか!」
「…暗!!?」
「知ってんなら大人しく捕まれ!!」
「!!!」
ビュッとれいりに棘状の武器が飛んで来た

バチィ!

れいりに届くこと無く結界が遮る
「プリセプスを傷つけようとしたか」
姿を現したソルムは視線を下げ怒り気味
「死をもって償うと良い」
「!」
後ろのれいりがギョッとなる

〈………第三プリセプの従者、ソルム!?〉
〈…ムリだ、次元が違う……〉

「だめ! 絶っ対にだめっ!!!」
「プリセプスに攻撃しようとした」
ソルムを見た事があった二人の暗は、青くなり一歩下がる
「私は何ともないしとにかくダメ―――!」
「……御意」

逃げっ

「逃げるな―――!!」
どさくさに逃げようとしたが難なく捕まり結界の中に閉じ込められた。暗人は結界の壁をドンドン叩く
「とにかく、マルーに連絡した方良いと思うけど…」
一般人員であるが故何も持ってないれいりは困ってリム達の所へ
「…あのー……何か連絡する物とか………と言うか逃げないんですか? コルチ団ですよね?」
リム達(コルチ団)は急に現れたソルムを驚き見ているが、逃げる素振りが全く無い
「我らは監視されている。逃げたら総帥が危険にさらされてしまう」
№1のゼンセイムがれいりの前に来る
「お願いだマルーの人、総帥の命を救ってくれないか」
「え…」
「総帥はあの者達によって操られてしまった。徐々に生気も失われつつある。用が終われば殺されてしまうだろう。あの者達はそう言う奴らだ」
№1の言葉に他のコルチ団も沈んだ顔をしている
「我らがマルーに頼む等おかしな話だが、あなた達の様な能力は無いのだ」
二人の暗人は結界から出ようと必死
「総帥が助かれば我らは潔く捕まろう。お願いだマルーの人よ! 総帥を救って欲しい」
コルチ団全員がれいりの前に跪き懇願したが、れいりは戸惑ってしまう
「……でも、私…一般人員で、勝手に決められないんです…夫人に連絡しなければ…」
「こうですさん、あの暗が言ってた様に明の混ざりなんでしょ?」
「え………うん…」
頭脳派所属のリエルワンドが下げていた頭を上げれいりに問いかける
「なら急いだ方いい! あいつらとんでも無いことやり始めた!!」
「え?」
「そこの二人に聞いてみてよ!」
言われて聞きに行く

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