マルー・クインクエ【破滅の一歩】・・・3

――猛獣区域

「さすがに猛獣相手は大変です」
威嚇して襲ってくる猛獣に典型派も息を切らし疲れていた

だだだだだ

左奥からやって来た拘束されてない混ざり数人にイソネとハギがハッとなる
「おきまりさんっ 地下の人です!!」
「!」
猛獣相手をしていたのの子達が振り返り駆け付ける頃、混ざり達はケンタウルスの様な半獣の変化をし法を放った
「ソーミウム」
「スランベイ!」

わーわーわー

次々出て来た混ざり達の法が炸裂
「~~~変化も出来るんですか!?」

バタン
「皆さん!!」

一人、又一人と典型派は倒れて行く
「だめら~、疲れてるし眠い…」 zzz
「こてぃ!~~~」 バタン
呼びかけるがシブキも寝てしまう
「~~~べし!」
変化中ののの子も眠気を払おうと首を何度も振っている

バカッ バカッ バカッ

「だめです! 逃げられます」
イソネも追う事が出来ずにクラクラし、今にも倒れそうだ

「お前達が地下の者か」

はっ ぴた

行く手を遮られ足止めされる混ざり達
「変化も出来る様だが仲間だとは思わんぞ」
足止めさせた人物は変化界の警備隊だ
「戦い方は見させて貰った。後は自分達がやる、お前達は休んでろ」

ポゥ

数十人の警備隊が獣化していく
「ミオカさん……おねがいし…ま…す……」
限界に来てたイソネはバタリと倒れ眠ってしまう
「行くぞ!!」

地下の住人と警備隊の戦いが始まった

「るいこ、行けるべしか!!」
眠りに負けまいと必死に踏ん張るるいこが、俯せから腕に力を入れ顔を上げると背中から翼を出現させた
「あい!!」 フオオオオオオ
ガルゴ化したるいこが上空で旋回し威嚇
「…怪物に変化!?」
「え!?」
驚いた混ざり達がるいこを見て怯む

バササササ ぶんっ

「キャ―――」
死角から飛んできたのの子が混ざり達の間を突撃すると皆悲鳴を上げ方々に散らばった
「のの子! それがガルゴか!」 ガッ
「べし!」 ガッ
「中々屈強だな!」
側で戦うミオカがのの子の雄姿を誇らしげに笑う。
のの子ガルゴは顔と体がのの子で他がガルゴ化していた

         *

――程の居住区

「今、すごい揺れたけど…」
「三帝柱がいる所よね…」
大きな揺れに驚いた住人は噴水広場に集まると不安そうに三帝柱のいる方向を見ていた

「あ、ぬう! 今の揺れ…」
棘山入口からぬうが現れ住人が寄って行く

「では、お願いします」
「はい」

だだだだっ

「ごめん、見つかった」
「!!!」
ぬうの後ろには和やかな笑みを零するうりんと取り締まり隊が現れ居住区へ次々となだれ込む

わーわーわー キャーキャーキャー

「始まりましたか」
様子を窺っていたジンホウが腕組し区域内に響く騒音にほくそ笑んだ

わーわーわー

〈もうくえぬ~〉
寝言を言う一丁の元で準備を進めていたガウンが異変に気付く

バッ パカ

レシピなる紙を握りしめ床に設置してあった隠れ扉を開き外へと出て行った

キャーキャー
〈大人しくしろ!〉
〈何すんの!〉

ガウンは岩陰から捕まって行く住人と動き回る取り締まり隊を確認し、人気の無い裏側を走って行く


「私らはこっち行くよ!」
「はい!」
「みち!」
「よしきた!」
借り出されたコンビ派も取り締まり隊の目の届かない範囲を見つけると、住人がいないか探し出す

わーわーわーわー

「おっ やってんな」
いざない達は居住区に到着
「レオ! お前はここにいてこっち来た奴捕まえるんだ」 こねーと思うけど、ホレ
「う…うん、分かった…」
いざないからロープを受け取り掴んではやや緊張
「団長は」
「一番でかい建物って言ってた」
「はい」
「捕まえられるかな…」 こーして、あーして…
講習で習った捕り物のやり方をたどたどしく思い出している
「縛り方は気絶寸前が望ましい」
「え!?」
「動けねーくらいでいいから!!」
ソルムの過激発言が聞こえたいざないは待ったをかけた


「ガウンちゃーん❤」

キ…

寝言を言いながら一丁は、いるであろうガウンの方向に手を伸ばす
「正気なのは知ってます。起きて下さい」

「ぬお! まいちではないか!」

夢心地だった一丁の目が開き目の前で立ってたまいちに驚く。
いざないは扉の外からこっそり覗いていた
「ガウンちゃんは…!」
「団長しかおりませんでした」
「オレが寝てる間に花を採りに行ってくれてるのか」 うんうん
良い子のイメージが強いらしく、一丁は優しく目を閉じ何度も頷く
「ここは地下都市です」
「何!?」
(やっぱ気付いて無かったか…)
唖然としたいざないは苦笑い
「地下都市の風習は男を攫い子を増やすと聞きました」
「ほう、珍しい習わしだの」

「で、何人子供が出来ました?」

刺す様なまいちの言葉に一丁が固まった
「ま…まいち、オレは何も…」
「かれこれ五時間以上経ってます。十~四、五人と見ましたが」
「!」
「これからの事を考えると、団長の収入は全て養育費に回す必要がありますね」
「!!」
※まいちは一丁の金を全て管理している
「いや…まいち、オレは本当に誰とも…」
「後から名乗り出られると負担が増えます」
一丁と同じく固まったいざないは息を呑む
「身に覚えが無いと言うのでしたら先程の女性の名は何でしょう?」
「ガウンちゃんは花の事で色々と…」
「寝てましたね」
「…………」
反論出来ない。
あまり表情が分からないまいちの目がより冷ややかになっていく

「正直に答えて下さい。“何人”出来ましたか?」

「………」
口パク状態に陥った一丁は自信が無くなっていた
「…そんなに経ってたなら………」
「さんぼーちょー、ししょーただ飯食って寝てただけだし大丈夫だ」
「……! いざない!!」
誘導されかけてた一丁に救いの手を差し伸べる
「恩に着る! オレも分からなくなってしまっての」 だー
「自信持って下さいっすよ」
「…」
涙を流し礼を言う。
まいちは手を顎に添え一丁をじっと見ていた
「副団長が言うのでしたら信じましょう」

〈行きましょうか〉
〈ぬ…〉

「この様な条件で何事も無かったのが不思議ですが」
(ししょーとことん信用されてねー)
濡れ衣が晴れ外へ出ようと促すまいち。精神的に疲れた一丁は腰が重い。
いざないは一丁とまいちの関係性に新たな発見を見たのだった

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