マルー・クインクエ【ゆるゆる事件】・・・4
キウド邸からほど近い高原に設置されたロケット型バンガローに到着すると、取りあえず休憩となった
「中々良い所だの」 景色も良い!
「私達はこのままのんびりしてて良いのでしょうか…」
「どしやが出て来ない限り仕方ない」
各々寛ぎ、一丁は目の前の景色に満足している。
一人いざないはその場にいないジンホウを探しに違う部屋へと向かった
「ジンホウ」
バッ
陽気な佇まいで器材をセットしているジンホウを見つけると、コートのポッケに手を掛ける
「なーんか企んでると思ったらやっぱりダイヤ少ねー」
「急に開けるからダイヤ君びっくりしてますよ」
ポッケの中には三体しかいない
「ほら、震えてる」
「……………悪かったよ」
つぶらな瞳が大きくなり小刻みに震え怯えていた
「罰としていざない君撫でて下さい」 はい
「!」
ハンカチに三体を包みいざないに渡す
「……どしやさんに付けたんだろ」
「ええ。状況を見たかったので二体お願いしました」
困ったいざないは仕方ないと右手でハンカチを持ち左手で優しく撫でている
「つちのさんに何かあったらすぐ教えに来て下さいと」
シャッ
「!?」
言うが早いか目の前にダイヤが出現した
「早速何かありましたね。いざない君、一丁さん達を」
「ああ」
背中を向け、皆がいる部屋へと呼びに行く
「やはり彼奴は危険な男だったのか!」
「まずはダイヤ君の映像を見てからですね」
やって来た三人は緊張感が漂い、ジンホウがセットしたモニターの前に並ぶ
「あれ? ダイヤ君」
ダイヤが見当たらず周囲を探す
「そこにいましたか」
「いつの間に!?」
「君はこっちへ」
ハンカチの中に混ざっていた一体を優しく手で掬いモニターの後ろへ
「いざない、お前何を?」
「……詫びっす………」
「?」
延々とハンカチを擦るいざないを見た一丁は不思議顔
「つーか、良く見分けつくな…」
「よく見ると違いありますよ❤」
準備が終わりスイッチを押すと画面が映った
「立派な部屋ですねぇ」
「まじ人形屋敷じゃん…」
画面はぼやけているが高級な調度品や数百体の人形が置かれている部屋である事が分かる
「?」
横にぶれると鉱石の置物があり、徐々に大きくなってしばらくそのままの状態が続く
「ダイヤ君、釘付けです」
「……動きが止まっておるな」
周りに目もくれずひたすら鉱石だけをダイヤは見ていた
パッ
「お」
「!?」
いつの間にかいなくなったどしやを追ったか、ダイヤの目前には正装したどしやと隣に並ぶウェディングドレスを着たまりもの後ろ姿、その前方にはどしや達と対面して高段にいるキウド伯が映っている
「これがキウド伯か…」
「指揮棒だ…」
両手を上へ下へと大振りに動かし、カイゼル髭を細く伸ばしたキウド伯は、誰もが認めるほっそりスマートな人物だ。
キウド伯がステッキを前に伸ばすとまりもはどしやに大喜びで抱き付いた
サアアアアア
「ここまでです」
横線が幾重も現れノイズ画面になり映像は終了
「こうして見ると滞りなく終わったのかな?」
「……」←一・た・い
三人は神妙な顔をしている
「皆さん納得されてませんね」
「はい、違和感だらけです」
「まず、あれほど嫌がっていたどしやがすんなり式を挙げているのが変だ。あやつは態度にすぐ出る」
「あと、ばあやさんの姿が見えません。かんこさんの側には常にばあやさんがいるのです」
「ふむ…」
一丁とただおが疑問点を述べていく
「…ダイヤ、お前最後攻撃されてびっくりして戻って来たろ」
「!」
顔は真面目だが手元はナデナデ
「消えていたのに気付かれていたのですか」
「ああ。――で、すぐこっち(ハンカチ)に混ざったんだ」
画面が終わったのでダイヤがひょこっと出て来た
「もう一体はつちのさんに付いているので気付かれてないと言う事ですね…」
「感知するセンサーみてーなのありそうだな」
「終わったなら迎えに行っても良い筈だ」
「そうですね」
一丁達は立ち上がると行動開始
「もういいか、ダイヤ返…」
じ~~~~~
もっとと訴えるダイヤの目。
また一体が加わり撫で待ちをしている
「もう少し撫でて下さい」
「……」
八つの瞳に逆らえず、キウド邸まで撫でる事となった
*
「お二人は新婚旅行に出掛けられました」
門にやって来たメイドの一言に一同は不意打ちをくらう
「待ってくれ! どしやが何も告げずに行く筈が」
「遠い所ありがとうございました」
ガチャン
「!!」
メイドがお辞儀し門が閉まる
「ありえぬ! 絶対に何かある!!」
ジー
外で大声を出し慌てる一丁。
いざないはどこからか聞こえる機械音に耳を傾ける
「…ししょー、後は二人の問題だ。俺達がどうこう言っても仕方ねー」
「いざないお主…!」
「そうですよ」 ハッ
目配せに気付いたただおが同意
「二人を祝福しましょう! お祝いは戻ってからにしませんか」
パパパと防犯装置のする方向に背を向けて手会話で一丁に知らせる
「………どしやの奴、一言何か言っていけば良いものを…」 全く
「まぁまぁ。幸せすぎて忘れたんですよ」
気付いた一丁も皆に合わせふくれっ面になると溜息を漏らす。
ただおは手会話に合わせ大袈裟に両手を左右に振っていた
「そうそう! 来たらとっちめればいいんすよ」
「そうだの」
四人(まいち除く)は笑いながら少しずつキウド邸から離れて行き、安置であるジンホウの所へ行き着いた
「見事な連携です。さすがですね」
「まずは退こう」
「はい」
再び一行はバンガローに到着
「どしやは誠に旅行に行ってしまったのか…」
現在のどしやがさっぱり分からず一丁は不安そう
「いえ、キウド邸にいます」 ね
「!」
ダイヤが怒り目になり臨戦態勢に入ると、五体目のダイヤが現れ皆に加わった
「位置付けは終わってます。乗り込みますか?」
「おう!」
一丁達もやる気に満ちる
「ジンホウ、お前は来なくていいぞ」
「えー、僕も行きたいなぁ」
いざないがジンホウに待ったをかけた
「ダイヤすら感知すんだぞ、甘々インが黙ってねーだろ」
「イン出されると困るんですが」
「助っ人が必要になるかもしれません。ジンホウさんはTと連絡の方をお願いします」
ただおの口添えに考えを改める
「そうしますか。異物が関連してる場合、明の異物が色濃いですし報告に徹します」
皆を見送る側へと回り、別の準備に取り掛かる
「ダイヤ君、いざない君に付いて行きたい時は何体かどうぞ♪」
言われてダイヤはいざないの前へ
「二体ですね。撫で足りなかったのかな?」
いざないをじっと見た後右肩へ張り付いた
「ちゃんとくっついてて下さいね♪」
「いれば楽だが…撫で込みかよ…」 へーへー
撫で待ちをしてた為、脱力したいざないは右袖で撫でていた。
バンガローの外に出ると四人が集まり、周りをダイヤが取り囲む
くるーん ヴォン
ダイヤ二体が法陣へ飛び込みいざない達は位置付けした場所へと向かう
「さて、発明の事ですしインにも連絡しときますか」 ピッ
片手で操作しインへ連絡。
もう片方の手はポッケに入ったダイヤを撫でている。ダイヤはジンホウの甘やかしで撫で癖が付いていた
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