マルー・クインクエ【三世界大会】・・・7

「先頭は一丁さん達と変化の方、並びましたね」
課題を終え、部屋から飛び出す四人。
一丁とひじおは顔が白く塗りたくられ、まだ食べきれてないパンを持つまいちに『まいち、少し分けてくれ』とせがむ一丁が画面に映っていた。
パンが食べたかったらしい

[課題二、飴探し&パン食い・制限時間五分]
定番の棒に紐で吊るされたパンを口で掴むのと、粉に埋もれた飴を探す課題である
「わー❤」
食べ物大好きディックは大喜び。
次いでいざない達もやって来る
「レオは飴!!」
「え!? 何で」
「…お前の方が早く探せると思う……」
「…いいけど」
ディックがパン、どしやが飴と戦ってる頃、怒を含むれいりの雰囲気に引き気味で言い訳をしながらいざないは急いでパンの元へ向かう
「おし! 取ったか?」
「うん」
支障なくパンを取る。
横にいたディックはパクパクと美味しそうに口で取ったパンを両手で掴み食べていた
「D、取りましたと!」
「おー」
どしやとれいりを見たディックはびっくり
「二人ともお顔真っ白!」
「仕方無いですと」
「…モップに……白ペンキが…」 くく…
背中を向き体を震わせツボにはまったいざないにれいり再怒

「ぐえ……!!」 ギリギリギリギリ

「先行ってると副団長殿…」
れいりの制裁を受け動けなくなり又最後になってしまう


駅伝チーム
「変化はもう二走者だって…」
「すげ……」
マルーの走者は変化の情報を知ると元気が無くなっていた
「お前達、自分のペースで完走を目指せ!」
「団長!」
並走箇所で後ろからやって来た一丁達にハッとなる
「無理して棄権する様な真似だけはするでないぞ! 風切りも然りだ!」
「オス!!」
「はい!」
団員と風切り派員を激励すると二人は走り去っていく
「やっぱりすげー…」
「おれらより多く走ってんのに…」
「団長何で顔白いんだ」
驚く人員と『?』の人員。
再びマルー達を抜かす二人を見るとよつじの顔が白い。
次に大股でびゅんと追い越す二人を見ると、らいたの顔が白い
「レベルが違う…」
「課題かな顔白いの…」
見えなくなった二つの影に人員唖然
「皆さんファイトです!」
「オス!」
「はい!」
「あいとー」
順調に走りテンポを崩さないただお達が声掛けしゆっくり抜かしていく
「案外似合ってるな…いい会計士と典型派のひらいさん」
「あ、今おれも思った」
並んで走る二人の丁度良さに人員も落ち着いて眺めている
「ついい君、ここにいたのですか」
「フジナさん!?」
並走箇所についいを見つけたイソネは話しかけた
「お互い頑張りましょう」
「オス!」
笑顔で励ますイソネについいは大きな声で返事する
「何だイソネ、マルーの男に決めたのか」
「友達です」

ガン!

数メートル先をイソネ達が行った頃、会話が聞こえショックを受けた
「ちがうのか」
「ミオカさん、いつから親父化なりました?」
「自分も老けたな。ハハ…」
話しながら小さくなっていく二人

〈がんばれついい〉
〈…うん〉
慰める二人の友に頷くついいであった

「どしやさん!」
「頑張ってるとね、全体派も頑張るとよ」
「がんばー」
「はい!」
「オス」
イソネ達が行った後、どしや組がやって来た

びくっ

追っていざない組が来たが、白塗り顔で手足をぶらぶらして漂う黄色の奇怪な物体にマルー走者は衝撃が走り硬直する
マルーらくがき78.jpg
「ふ…副団長!?」
「ああ……ま…がんばってくれ、全体と風切り…」
「…オス」
「はい…」
声を掛けられやっと気付くくらい憔悴してたいざないは、一言発すると人員から離れ走って行った
「副団長の体力すげー…こうですさん持って…」
「夢に出そう…」
「軽いホラーだな…」
れいりの怒り目に人員は身が竦む


三の課題部屋から漏れてくる声
『ぬおっ 違うのか!!』

『…ぐぅ……』
『…分からん』

『間違えたぇ』
『手前もです…』

『何!?』
『どんどんいこう!』

選手が課題に足踏みしてる中、到着した走者が部屋へ入って行く


「苦戦してますね」
「後続と一緒になってきた」
ヘッドと弟は詰まって来た選手達を画面で見続ける


『あい、これ!!』 ピンポーン
『これでどうです』 ピンポーン


「お、一発」←ヘ
あっという間にクリアして出て来るただお組は一位となり次の課題へ走り出した


『又間違えました…』

『前のがどれか分からなくなったぞ!』

しゃ
「次何だろ?」
到着したどしや組が布を開き部屋の中へ。数十メートル後ろにはいざない組がいる

[課題三、利き水&利き食材・制限時間五分]
それぞれクジを引き、印がある方が利き水、無い方が高級食材並べに挑戦。
片方が終わった場合一緒に行動可
「……某…苦手ですと…」
指示通りにクジを引く。
その頃やっとクリアした選手五組がほぼ同時出発となり各々顔を見合わせびっくりしていた
「私食材だ。貴重なのから並べるんだね❤」
五種類並ぶ食材の前に立ちどしやも水の前へ立つと開始となった
「水だ」
到着したれいりは印の付いたクジを引き五種類並ぶ水の前へ
(食ってから並べりゃいいか) うめーなこれ
ゴクゴク飲むれいりと片っ端から食べるいざない
『違うとか!!』
『おいしー❤』
別の部屋からがっかりするどしやと喜ぶディックの声が聞こえる
「はい!」 ピンポーン
「こうだろ」 ピンポーン

「余裕!」 しゃ

気持ち的に元気になったいざないはしたり顔でれいりを担ぎ部屋を出て行く

しゃ
「差が開いたと!!」
「次行こー❤」
ディックが楽しそうに腕を上げ鼓舞する


「味見しなくても分かったでしょうに。美味しかったんですね」
「その能力結構怖いな…」
ジンホウは頬が痛くなるくらい笑いが止まらずニヤケ顔


「お、先頭見えてきた」
いざないの前方に固まって走る集団が目に入る。
五組の内二~三組が抜かしたり抜かされたりの繰り返しを延々とやっていた
「負けず嫌いかよ」
(見えない…)
呆れるいざない。れいりは後方を見る形になるので見えていない
「…まあ、遅れない様に付いて行きましょう」
「あい」
現在六位のただお組。
ミオカ組は五位。唖然として抜きつ抜かれつを繰り返す前の走者を見ている
〈団長、まだ課題あります〉
〈分かっておるが…〉
目先に翻弄される一丁を諫めるまいち。
ひじお組とらいた組は前を走れず、よつじ組が一位となっている

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