マルー・クインクエ【三世界大会】・・・9

[課題五、似顔絵・制限時間三十分]
ランダムで出て来る十人の内誰か一人を描き手が似顔絵する
答える側は十人の誰を描いたか当てる
「……俺が描くのか…」 げ
くじを引くといざないが描き手となり、近衛が案内する席へと座る。
描き手と答える側の間には画面が映る壁があり、描き手同士、答える側同士の席には隔たりが無い。れいりの隣にはショウジョウが腰掛け呟きながら悩んでいた
〈じゃ、私描くね〉
〈はいと!〉
ディックは描き手側へと移動している
「!!」
くじを引いた一丁とまいち
「………まいち……特徴を掴んで描くんだぞ…」
「はい」
描き手に回るまいち。
様子のおかしい一丁は強張ったままれいりの隣へと座った
「出て来たか……ん?」
早速お題が出され描こうとするいざない
「テリー・ラン、モットイ・バンジ、セントラ・キル~~~etc.~~じゃねーか!!!」
「何!!?」
「……名前言ってないで早く描いてよ」
見知った顔に興奮するいざないに一丁もびっくり
「この課題だけはいざないと組みたかった……」
「…」←れ
すこぶる青ざめ悔しそうな一丁にれいり細目

ブブー
「…どんどん描く」
「…頼む」
ひじお組は苦戦

さらさら さら…ら…

いつになく真面目に取り組むいざないの隣で、軽くペンを動かすまいちに気付き何となく見てしまう

ら…ら…

いざないは凍り付き動きが止まった
「出来ました」
「……ああ」
答える側の画面は、上の方に十人の顔、下に描き手の絵が出て来る仕組みだ

パッ

黒い点から毛の様な~が生えている。
見えたれいりは目点になり硬直、まいちの絵が会場に映るとざわつきも消え一瞬で静寂の海へと陥った
「…………これは…特徴あるのか……」
「はい」
一丁汗だく。
名前の分からない顔の場合は一緒に表示されている記号を答える事となる
「私が答える側ですね」
「あい」
到着したただお組が席へ向かう
「私が描くのですか」
次に到着し描き手側に行こうとしたイソネ
「れいり! いたんですね」
「…うん!」
イソネの声に呪縛から解放され我に返る
「いざない! 描いてる!?」
「今描いてる!!」 はっ
いざないも呪縛から解かれると急いでペンを進めた
「~~~~~~~~~~△の顔」←一
ブッブー
当てずっぽうで答えるも外れた。
れいりは再びまいちの絵の虜となっている
「…まいち…次だ……」
「はい」
『★でないのか?』
「黒星の人?」
ソルムの呟きについ声を出す
「正解です」 さ…ら
「え!?」
〈何!?〉
れいり、一丁びっくり
(……この血筋ヤベェ) 当てやがった
ら…さら…と次を描くまいち。
固まるこそしなくなったが、いざないはまだ動揺している。
まいちの隣に座ったディックは楽しそうにお絵描きしていた


「参謀長、とんでもなくへ…」
「ガリさん!」
〈何するのです!〉
〈あん?〉←女子
頭脳派員がガリの上に覆い被さり総出で口を塞ぐ。
前に座るマルー女子の怒り目が突き刺さっていた


「~~~~~~~▢の顔」
ブッブー
『半円では?』
「………半円…」
「正解です」
「!!」
ソルムの呟きを代弁するれいり。
又当たった事にれいりと一丁は驚いた
(何故ソルムは分かるんだろう……)
「よし、出来た」 パッ 
「体ばっかで肝心の顔分かんない!!」
いざないの描いた絵は体メインで顔は小さく見分けがつかない
「⁂のチリ・ワカではないか!!」

ブッブー ※他人答えたので不正解

「一丁さん答えないで!!」
「…すまぬ……つい」
れいりに言われ謝る
「出来ました」 パッ 
「………………………◎の顔」
ブッブー
「………♤?」←れ
「正解です」
「!!?」
又々衝撃が走るれいりと一丁。
混迷する一丁達にどしやとただおは心配している
「はいっ❤」 パッ
「…D…どこから見ても猫ですと……」
「うん! 猫さん❤」
「…」
(猫の様な顔……)
猫の絵に困ったどしやは取りあえず探してみる
「…◆」
ブッブー


「あれはきっと▲ですよ」
『答えは▲の猫さん❤』
『そうですとか…』
「ほら」
「……」←コ
寛ぎながら視聴するジンホウはほのぼのしている


「…イソネ……横の服は何だ」
「この顔にはこの制服が似合うと思うのです!」
「……↓」
ブッブー
イソネの趣味が炸裂し、顔はあっても制服メインで描かれる絵
「ひじお…分かりやすいのを何か…」
「そのつもりなんだが…」
「〇…」
ブッブー
皆、順調に正解しない
「――まいち! もう少しパーツを増やしてくれ」
「はい」 さら…らら らららら
不穏なペンの流れにれいりも冷や汗
「出来ました」 パッ
「!!」
顔の様なお面の様なアメーバー的な絵が出現
「………✿」
ブッブー
〈やはりだめか…〉
「………☂」←れ
「正解です」
「!!」
何度目かのびっくりれいりと一丁
「よし! 出来た」 パッ
「だから何で体描くの!!」 又顔分かんない
「描かねーと失礼だろ!!」
似顔絵は上向きで体メイン、服が細かく描かれている
「☀のサン・セットか!!」
「一丁さん!!」
ブッブー はっ


「混戦してんな」 あーあ
「互いに違う相手の答え言ってますね」
手こずる課題にヘッドも弟も静かに見ている


「あい」 パッ
「…♡の人ですか」

ピンポーン

「!!!」←周り
「でかしたただお! 後はお前に任せたぞ!!!」
「……はい」
一抜けしたただお組に一丁は笑顔で見送った。
その間どしやは犬の絵に困っている
「いざない~~~いい加減顔を描けえ~~~」
「絶対できねえ!」
両手を拳で握りしめ、れいりは怒りモードに入り出す
「一丁さんも答えないで~~~」
「…気を付けよう……」
睨まれた一丁は身が竦んでいる
「しかし怒った顔も又良いのう❤」
〈ガルルルル〉
飛び掛かる一歩手前のれいりを見ても一丁は嬉しそうに喜ぶ。
いざないは集中し至って真面目に描いている

ピンポーン

「やっと当たった」
「行きましょう、ミオカさん」
ミオカ組が出発した
「分かるか―――!!」
ブッブー
「……ロウ・ローナだなそれは…」
気を付けて判定後に答えている
「はいっ 動物さん止めたよ❤」 パッ
「〒ですと!!」

ピンポーン

「!!」←周り
ちょーリアルな顔に周りが驚いた
「わー、当たったー」
「行きましょうと!」
(すっごい上手なのに何故動物で描いてたんだろ)
どしや組を見送りながら謎に包まれるれいり達。
Dの七不思議である
「きつい課題だった」
ギリクリアしたひじお組は精神的疲労を起こしながら走って行く
「そろそろ時間切れ…」 むー
「オレはとうに諦めておった…」
れいりは納得いかずムスッとしているが、一丁は悟りきった顔で笑う
(よし! 次の顔……)
新しい顔の例題にいざない拍子抜け
「……」 さらさら
いざないはまいちのペン捌きが変わった事を知り目を向ける
「出来ました」 パッ
「!」
葉っぱの様な形が四つ描かれていた
「…」
『…これは分からぬ』
今までと違う絵にポカンとするれいり。
一丁は形に気付くと少し悩む
「……ゆき…だるま」

ピンポーン

「え!?」
当たった事に驚いた
「行きましょう」
「…ああ」
促すまいちだが、一丁は戸惑っている。
まいちが出した絵は手会話の幹部だけが分かる記号であった
〈すごい…〉
「ほれ!」 パッ
まだ驚きが止まず一丁達を目で追ってた時、いざないの絵が画面に映った

ピンポーン

「……男になった途端普通に描くってどんだけ偏屈…」
「ほっとけ」
次の課題へ走るいざない。
担がれるれいりは眉を寄せムスッとしたままだ

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