マルー・クインクエ【ダイヤ】
〈いざない、帰ろっか〉
〈ああ〉
三人を連れて行く準備を始めようと動いたジンホウが立ち止まる
「あ、ダイヤ君の食料で思い出しました。マルー応接室に飾られてる丸い大きな鉱石って、れいり君が採取した石と聞いたのですが」
「はい、前に仕事で…大きすぎたんで夫人に贈りました」
「あの石は美しいですね。行く度ダイヤ君食い入る様に見るんですよ」
応接室では、五体横に並び石の前でずっと見てるダイヤに『それはムリなんです』と宥めるジンホウがいる
「手に入れようにも珍しい鉱石らしく中々お目にかかれなくて、どの辺で採ったのかなって」
機器で検索すると金額の高さに躊躇する。ダイヤも一緒に見ていた
「ヴィラム地方の鉱山でしょうか、あの中にはあれより大きいのゴロゴロしてました」 あれ珍しいんだ…
希少価値があった事を今知るれいり
「誰かの所有地でした?」
「あ…そうかもしれないです」
「だと厳しいかな」
ジンホウは諦めモード
「もし良かったらこれくらいのあるんで今度お渡しします」
たさいから貰った石の大きさを手で表現している
「いえ、それはれいり君のですし」
「でも飾ってるだけなんで」
いざないはヤレヤレと言った感じで機器を操作中
「所有者に許可貰った。探せたら一塊持ってっていいとさ」
「え? 所有者と知り合い?」
「まあな」
「やりますねいざない君」
誰とは言わぬがいざないの頭にはただおがいる
「だが探せたらの話だ。中々採れねーとさ」 ダイヤには世話なってるしな
「あ…そっか、あの場所入口塞がったんだ…」
「困難な道のりみたいですね」
崩落し、入口が埋まった事を思い出す
「場所が間違ってなければ採って来れる」
「そうなの!?」
「ソルムさん土地把握すごいです」
人と周辺の事以外は覚えが良いソルム
「どれ程の石を持ってくればいい?」
「応接室にあるくらいで…いいですか? ジンホウさん」
「お願いします。形は丸くなくても結構です」
「いざない、プリセプスを任せる」
フッ
「ああ」
言うとすぐ採りに向かう
ソルムがいなくなった後、部屋には一時の間
〈良かったですね、ダイヤ君❤〉
〈すぐ来んのか?〉
〈待ってた方いいのかな?〉
六人はその場でじっとしている
どん ミシ…
「!!!」
天井ギリギリの大きな鉱石がソルムと一緒に現れると、ジンホウ以外仰天した。
床が軋み危険である
「ソ…ソルム…応接室くらいって…」
「これくらいでなかったか?」
「!?」
「だからどんだけ周り見ねえんだ……」
桁違いの大きさに驚愕。
その間も軋む音が鈍く聞こえる
「これは素晴らしい。ダイヤ君、プレゼントですよ」 僕も少し欲しいかも♪
呼ばれたダイヤは目を覚ましポッケから顔を覗かす
はっ
小さいお目々がこれでもかと言うくらい大きくなり網袋から飛び出すと、鉱石の周りを震えながら動き出す
「嬉しくて旋回してます♪」
「…」
わなわな震えるダイヤを微笑ましく愛でる。
ジンホウ、ソルム以外は唖然
キラキラキラキラ はっ
ダイヤが熱い眼差しでソルムを見つめると鎖が目を覚まし威嚇
『ソルソル鎖の!!』
『渡さないよ!』
『ダメ!!』
「気持ちが傾いてますね」 早々に戻りましょうか
ダイヤは怒る鎖を無視し感謝の眼差しでソルムを見続けた
「…置く場所あるんですか…?」
「ダイヤ君専用の個室があったりします❤」 地下に
「そうなんですかっ」 知らなかった
『ダイヤ君の石』と書いた紙を貼りつけ、ダイヤは鉱石を研究所へ送った
「――兼、テネヴさんのアトリエですね❤」
「…そこにもあんのか」 マルーにもあったりする。ついでに二・三層にも
いざないは目が据わり呆れる
「お待たせしました、行きましょう」
三人を立たせ部屋の真ん中へ。
ジンホウも中に入りウキウキしてるダイヤが周りをくるーんと回った
「では」
ヴォン
「じゃ、帰ろ」
ジンホウ達を見送ると、れいりはいざないの手を掴み部屋から出て行く
「Tさんのアトリエってどこにあるの?」 見てみたいかも
「Tの部屋…理解できねぇ物が置いてあるだけだ…」
「へー」
困惑するいざないだが、れいりは興味ありげだ
それからと言うもの
『この形も良いな』←日々変わる物に趣きを感じてる
足繫く地下に通うテネヴがいたとさ
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