マルー・クインクエ【処罰】・・・1 「もう動かぬか、歯ごたえの無いネズミだ」てんしんの足元には、体中打撲と傷だらけで全く動かない小若が俯せで丸くなっていた「水を掛けよ」「すみません、よ小若!」 バシャア 掛けられた水が体に付いた泥を流すも、現れた傷が痛々しく顔を覗かす「これでも起きぬか」 ガッ「若…その辺りで……」ひじおとよつじはてんしんを止めようとするが、てんしんに… コメント:0 2024年08月02日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【三人】・・・2 「……………よもや…屋敷に出るとは……」移動先が見覚えのある建物だった事に、真っ青になった小若は全身震えていた だっ 急いで引き返し法陣を踏む「――! 動かぬ!!」が、反応が全く無い「一方通行の様だ」 たたたたっ 「ウェル達は向こうへ行け! 人が少なく手薄だ! そこから外へ出ろ!!」「小若は!?」見張りがやって来る足音が聞こえ、… コメント:0 2024年07月27日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【三人】・・・1 ――続目洞 ヴォン 「くそぅ…また洞の中か」法陣に入るも出た先は仄かに明るさがある洞窟の中だった「小若、この洞窟は何なんだ?」「続目洞と言うて、十になったら跡継ぎを決める為に入らねばならん所だ」歩く度足音が奥に吸い込まれ、先の見えない道のりを延々と歩いていく。よ小若は子象へと変化し、その背にはハナエンが座っていた「二人の兄者は済まし… コメント:0 2024年07月19日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【てんしん家】・・・2 「罰し方次第で渡してやっても良い、どの様なやり方だ」「監視付きの牢生活だと思うが、詳しくは知らねーな」「ぬるい! 渡せぬ」「渡したってあんたらの手に負えるとは思えねーけど? 地下にいた事すら気付いてなかったんだろ、あんたら」話し合いが立て込み始め、れいりは戸惑う「ほう、ワシを愚弄するか、赤目の男」「あんた程減らず口じゃねーよ!!」てんし… コメント:0 2024年07月13日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【てんしん家】・・・1 「マルーの方ですね。お話は伺っております」長い棍棒を持つ門番の間を通り、いざない達は板張りの廊下を静々歩いて行く「おっきいお屋敷ー」「さすがてんしん家、豪華です」木造りで出来た渋みのある城の様な屋敷にれいりは目を大きくして天井や壁を見渡していた「こちらでお待ち下さい」客室へと案内され襖が閉まると、それぞれ適当な所に座り出す「前もって言っ… コメント:0 2024年07月05日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【遁走】・・・2 「霧ですね」「川あって大河近いから出やすいんよ」川近くに来た全体派と典型派は、森を白く覆う霧に視界の悪さを感じていた「団長殿!」「おお、どしやか。岸はどうした」風切り派がやって来る「波が荒れてますと。船が出せる状況で無いと言われ応援来たとです! 風切り派五人は見張っとります」「そうか、ではこの辺を頼むとしよう」「道沿いに村あるけどあたい… コメント:0 2024年06月29日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【遁走】・・・1 たたたたたた…はっ 鬱蒼と茂る草の中を軽快に走っていた少年の足が止まる「この辺りにはいないですね」「沼向こうの典型派と合流しよう」「はい」マスクをした全体派の三人が違う場所へと移動を始め動き出す ガサ 草音にただおが目を向けると、大きな種を両手で持つハムスターがいる「ただお、何かいるのか?」「あ、いえ。ハムスターが食事してただけで… コメント:0 2024年06月21日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【訪客】 バクバクバクバクバク バクバクバクバクバク 「美味い!! こんなに美味い食い物初めてだ!!」れいりの大福を一心に頬張る少年をビイス達は目の前に座って微笑ましく眺めている「もっと食って良いのか!? お前達良い奴じゃないか!!」一袋の積まれた大福をビイス二体が持って来た「ウェル達は誤解してるんじゃないか?」両手に大福を持ちご満悦な少年は… コメント:0 2024年06月15日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【真実】・・・2 「その後、明暗に分かれたエイウス達が争った事も、程が生まれた事も、死に合うのも、全て我が原因だ…」 「我の罪だ」 カウザの言葉にれいりは戸惑い悲しくなる「“風”を調べると必ず検出される粉末はオレ・アエテルナの石だったのですね」「……調べる? いかにしてそんな事が出来た?」「つい最近分かった事なんですが、あの“風”は程と新しく出来た土… コメント:0 2024年06月08日 マルー・クインクエ 続きを読むread more
マルー・クインクエ【真実】・・・1 暗世界。轟々と唸り空高く昇る風を数キロ離れた邸で冷ややかに見つめる女性の姿があった。床に付く程の長い髪をした女性の側には、法で書かれた紙に囲まれて咲いている萎れかけの花が花瓶に生けられている 「女帝、いさい殿がお見えです」 「……十日と九時間二十二分三十七秒の遅刻だ!!」「!!」そそくさと部屋を出て行くも、いさいを見る目は怒りを含み… コメント:0 2024年06月01日 マルー・クインクエ 続きを読むread more